体は薄くてとても柔らかい膜状で黄緑色を呈する。沖縄で「あーさ」といえば本種のこと。アオサ(廉価のあおのり)やアオノリ(あおのりや高級品のあおさのり)とは別の種類である。外見は特にアオサに似るが、ヒトエグサのほうがヌルヌルした手触りでとても薄い。冬から春にかけて岩礁海岸を覆うように繁茂し、食用となるため盛んに採取されている。養殖も行われておりオキナワモズク(すぬい)、クビレズタ(海ぶどう)に次いで沖縄県内第3位の生産量を誇る。沖縄ではすまし汁やてんぷらによく用いられる。なお、「ノリの佃煮」のノリは海苔ではなく、ヒトエグサを原料とする場合が多い。満潮でないかぎり水中に没しないためダイバーの目に留まることは稀であるが食卓ではよく目にする海藻である。