ハリセンボン属の棘は可動性。ハリセンボンの名の由来はこの棘から来ているが、300~400本台といわれている。危険が迫ると体を膨らませて飲み込まれないようにするが、大型魚の胃の中からも見つかっている。全ての鰭に黒色斑はないが、体側に大きな暗色斑をもつ。
沿岸岩礁域、サンゴ礁域などに生息する。また、南日本の太平洋岸や沖縄では船溜まりのような場所でもよく見られ、汽水域にも出現する。幼魚は日本海などで集団で現れ、冬に打ち上げられることが有る。肉食性。甲殻類や軟体動物を捕食し、大型の個体は小魚も捕食する。
本種を含むハリセンボン科魚類は無毒とされており、琉球列島では食用となる。「アバサー汁」とよばれる汁物はよく知られる。ハリセンボン属は世界で5種が知られ、そのうちの4種が日本に産する。