カキノ殿は、粟国島にある五殿の一つで、係名は「地頭代」となっている。ガーチノ殿(粟国村誌)、カキノトノ(琉球国由来記)と言うこともある。主要な祭祀において拝まれる場所である(作物の豊作と大漁を祈願する三月折目小や、害虫が発生しないよう祈り、新しく収穫した麦でミーミチといって先祖に供える六月折目小など)。地頭代とは、現今の村長に相当し、番所の長である。琉球政庁の物奉行同吟味役の指揮監督を受けて、その諸令達を執行し、間切内の役政全般を指揮監督するのはもちろん、地割制に基づく耕地の分配、林野の総保護を司っていた。