水資源に苦しんだ島の歴史を伝える大きな石水槽。
かつて、水源の乏しかった粟国島(あぐにじま)では、トゥージと呼ばれる大きな石水槽に雨水を溜め生活用水に使用していた。
水を溜めておくカメのことで、島の凝灰石をくり抜き作られた。
島の人がそれぞれの家庭に置くために切り出して作られたのだが、一つ一つがとても重いため、村人の協力のもと、船で運んだり力を合わせた象徴ともなっている。飲み水を入れるトゥージ、海水から塩を作るもの、洗濯用など最大5種類あったとされている。
これほどまでに苦労して運び造られたトゥージは、生活を支える大切な財産として親から子へ代々受け継がれていたという。島の先人たちの苦労と偉大さを実感できる歴史文化遺産である。
溜池:農政は察度王以来、農業を奨励し、農作物の増収を目的として溜池を作らせた。本村の用水池は何年頃に設備されたかは不明だが、各字毎に溜池が設備された。
※「か」とは、溜池のことである。
【字西】毛平か、イキントーか、ナラチか、シカンサか。
【字東】四志か、テカーか、仲間か、崎田か、アガリか、フチか。
【字浜】クシか(昭和51年埋めた)、ンナトか、ユナガチヌか(昭和55年埋めた)。