この話は、本土の『古事記』などにも「三輪山神話」として残されている蛇と人間が結婚する話で、沖縄全域の最も有力な話型の「蛇婿入」と呼ばれる話型である。沖縄群島では、主に3月3日の浜下り行事の由来譚として伝えられている。
アカマターは赤いまだらのある中型の蛇。ハブを食う蛇としても知られる。
(A)では一人暮らしの女が術をかけられて騙されるが、(B)では家族で住んでいる娘のところにアカマターが美しい男に姿を変えて通ってくる。
●布を織っていた娘のところに、美しい男に姿を変えたアカマターが毎夜のように通ってくる。そうする間に娘は身重になり、お母さんから「針に紬を織る糸をつけてその人の額に刺してあげなさい」と言われる。教えられた通りに娘がしたら、男は額に針を立てたまま出て行った。翌日お母さんと娘がその糸を辿って行ってみたら、洞窟で他のアカマター連中と話しているところを立ち聞きしてしまう。