カマンタは大型のイトマキエイのこと。
話の前半は、『魚女房』に類似するが、後半では龍宮を訪問する話になる。この話型は宮古では、龍宮から瑠璃色の壷をもらってきた話になり、八重山では山彦の由来となる笑い話となる。沖縄本島以北では、ほとんど聴取されない話型である。
海中に龍宮まで続く道があり、その道は人間でも歩ける道であることは、宮古諸島のひとつ、来間島の祭りの由来など、他の話にも例がある。なお、この話のように、龍宮や天上界などを訪問する話を異郷訪問譚という。
話に出てくるマムン瓶小とは、マムンは真物で瓶の美称。小は愛称の接尾語。超自然的な力を持つ宝の呪宝といい、その呪宝が登場する話を呪宝譚という。
宮古の話でも主人公がタブーを破ると龍宮から持ち帰った瑠璃色の壷は、白鳥になって飛び去ってしまう。
★岩の上に打ち上がっていたカマンタ。その局部が人間の物にそっくりで交尾をした海人屋の爺さん。2、3年して同じ海に行くと、小さい2、3歳くらいの女の子がいて、「主えー(お父さん)、主えー」と呼んでいた。お母さんが待っているから一緒に家に来てくださいという子どもに、しぶしぶ着いて行くと…。