"『魚女房』と同じ話型であるが、こちらの方が由来譚としての性格が強く、伝説的性格を帯びた話である。
八重山の話でも、妻を恋しがる夫が浜辺で妻を待つことになる。
アングウェーラー鳥は、爺さんが煙管をくわえているように、くちばしの細長い鳥。なお、八重山の話では、爺さんが妻を恋しがって、コーイ、コーイと鳴く、コイ鳥になったと伝えている。
アングウェーラー鳥は、海がしけると粟国島の御嶽に行くとされている。粟国には、ガダノコ御嶽、八重大中御嶽、テラチ御嶽、ヲノコ御嶽、ヲノコの中の御嶽、ヲノコのハイノ御嶽、シマイ御嶽、アラバ御嶽、ヤガン御嶽の9つの御嶽がある。
●漁に出たり野良で働いて暮らしを立てていた一人暮らしの爺さん。ある日潮水を桶に汲んでみると、きれいな小魚がゆったりと泳いでいて、家に持ち帰り、飼うことにした。その日以来、食事の用意が出来ていて、不思議に思った爺さんは、働きに出ると見せかけて家の様子をうかがう…。"