兼浜は姓。粟国出身の大力者で武士。ここでいう武士は、武術に優れた者の意味である、
兼浜が那覇の久米村(察度王時代に中国から移住した三六姓の居住地。中国との交易などをつかさどる士族が居住した)で、殿内御奉公やっていた時の武勇伝。
●非常に実直な兼浜が、那覇の久米村で殿内御奉公をやっていた時のお話。ある日、赤田村に酒を買いに行こうという主人に危険だからとお供を申し出、大丈夫という主人を無視して着いて行く。「酒屋で御馳走がたくさん出ていても早く食べてすぐに逃げないと危ない」という兼浜の言う通り、主人をもてなしている間に、酒屋の周囲はチニブで柵を立てて殺す準備がされていく。