ブックタイトル広報あぐに2号
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広報あぐに2号
昭和56年3月1日粟国村広報(第2号)昭和五十五年度糸満地区第三十一回童話大会一位私一人でもいい粟国小学校五年(字浜)上地なをみ「静かにして下さい」学級会でのこういう注意を聞くたびに私はいつもこう思いました。「うるさいなあ」もっとうまくやれないのかなあ、そう思うのは私一人なのでしょうか。うろたえる議長団を横目でみながら「じゃどうすればいいか」クラスのみんなはだれ一人自分のこととして考えようとはしません。つつきあいをする者、ひそひそ話をする者、クスクス笑っている者、私達の学校の生徒は堂々と発言すべき所でそれができないとよくいわれます。いやむしろ発言しようとする人の足をいじわるくひっぱることさえあるのです。それはよくない点であり、なにをおいてもまずそれからなおさなければなりません。算数の時間や国語の時間にだれかがすすんで意見をいうとすぐどこからか小さな声で「できやあふうなしいばらんけえ」とか「また、ふみらりぶさあし」という言葉が聞えてきます。そういうふうにしていて私達の学校はよくなるのでしょうか。粟国の島はよくなるのでしょうか。私もいつのまにかみんなの中でそういう人になりかけていました。すすんで意見をいう人をほめてはげますのではなく心の中でねたましく思っていました。でも近ごろ「それではいけない」ということに気づいたのです。担任の先生にそれではいけない、そのままでは粟国の島はちっともよくならないと、いつもいわれたからです。私達の島粟国島は那覇から六〇キロメートルはなれたまわり十ニキロメートルの小さな離島です。まわりを青くひろびろとした海にかこまれ夏にはすがすがしい海風がふいてきてとてもすみごこちのよいしまです。こんなすばらしい島にすんでいてみにくい足のひっぱりあいをするということは、しまがはってんしていくことになりません。いやむしろ、粟国の島をいつまでもおくれた島にしてしまうのではないでしょうか。ひとりひとりが考えたよい意見を発表しあいみんなでほめてはげまし、協力していけばきっとよい学校、よい粟国の島になると思います。私一人でもいい、みんなにわらわれてもよい、と思ったことを「はい」と積極的に手をあげて意見がいえるようになりたいと思います。(1