初めて訪れたのは30年前。一番最近では7~8年前くらいになるが、今回上陸してみて思ったのは、今も昔も変わらない風景がここにある、ということ。取材に行った日は一年の内でも天気の良くない日が多い2月だったが、港に着いてみると、待ってました!とばかりの晴天。うれしい撮影日和になった。
まず船から見えるのは、粟国の西側にある絶壁と、東側の真っ白い砂浜。地形のコントラストがこんなにも違う島はあまりない。島の東西南北それぞれが違う顔を持っているのもおもしろいポイントだ。マハナ展望台あたりは、大自然の雄大なパノラマが広がる場所。夕日も星空も素晴らしい。この近辺では最も空に近い場所と言えるんじゃないかな。 集落には昔ながらの家も残り、フクギ並木も風情がある。
この島は、いざ足を踏み入れてみると「わたしだけが知っている特別な場所」そんな気持ちにさせてくれる。今も昔も変わらずここにある、ということが何よりもうれしくなる、それが「粟国島」という場所だ。
鹿児島県出身。沖縄の海に魅せられて1970に沖縄へ移住。
1994年以後、県内離島50余りの島々を巡り風景・祭事の写真を中心に撮影活動をつづける。